アンドロメダ銀河訪問記-1

 

これはアンドロメダ銀河を訪問する物語です。

 

慧介はいつか遠い宇宙へ行ってみたいと思っていた。例えば230万光年離れているアンドロメダ銀河などの遠い宇宙だ。子供の頃から教科書の写真や図鑑で宇宙の写真をみる度に憧れていた。どんな星で、どんな生物、宇宙人が住んでいるのだろうと。

そんなある日の夜、風呂に入っていると宇宙人らしき声が頭の中に流れてきた。

アンドロメダ銀河へ行ってみたいですか?」

慧介は最初戸惑ったが、すでに準備はできていた。そういった話は宇宙人やスピリチュアル関係の本で読んだことがあったからだ。元々、そういった分野に興味があったため、いつか自分にもチャネリングや夢などの手段で宇宙人からアクセスがあるかもしれないと思っていたのだ。

そして、そうだと思われる現象が今日の夜おきたのだ。

「もちろん物理的には時間がかかるので、五次元で案内します」

その宇宙人は言った。

「あなたはアンドロメダ人なのですか?」私は聞いた。

そうです。正確にはアンドロメダ星雲の中の一つの惑星に住んでいます。

「ではさっそく出発しましょう。」その宇宙人は言った。

頭の中に映像が現れた。大きな円盤型の宇宙船が5、6機、地球のはるか上空の青空に現れた。

あっという間に宇宙船の中に映像が切り替わる。

巨大な円形のオペレーション室みたいだ。大勢の操縦者らしき人たちがいる。ほとんどが人型の宇宙人だという印象。

「さあ、出発しましょう!あなたのために、宇宙船の外の太陽系の星々を見物しながら進めるように速度を調整してあげましょう。」

ところで、宇宙人のあなたのことをなんと呼べばよろしいでしょうか?

すると、「Aと呼んでください」との回答があった。

そとを眺めると月が巨大に見える。こんな間近で見たことは一度もない。中学生の頃に買ってもらった天体望遠鏡ですら、ここまで大きく見えなかった。巨大なクレーター・・・・月の裏側には噂の秘密基地があるのだろうか。

そんな自分の思いを察してか、Aが話しかけてきた。

「月の裏側を見て見ましょう」。

円盤型の巨大な宇宙船は大きく旋回して月の裏側には回った。一見すると表面と同じクレーターだらけだが、さらに月に近づくと遺構らしき建物が見えた。全体的に裏側は暗いのだが、建物がらしき形ははっきりと分かった。

「月の裏側は基地兼、作業場として機能しています。キルリアン星人が管理しています。」

キルリアン星人なんて聞いたことのない名前だ。

船内の拡大モニターをとおして、月の裏側の表面を歩いているキルリアン星人を見せてくれた。その姿は大阪万博で有名な「太陽の塔」にそっくりであった。

「彼らは半分生物、半分鉱物なのです。ヒューマノイドから見れば非常に奇妙な形態をしていますが、人類に友好的な性格です。月のような大気のない惑星でも、しばらくは生きることができるのです。月の岩石などの鉱物の成分を体内に取り込み栄養源とすることもできるのです」。

彼らは遺構のような基地に出たり入ったりして作業をすると同時に、基地内で呼吸もしているのであった。