未知の銀河へ とある旅人の訪問記

またしばらく時間が経過した。

意識の拡大。

突然そんなことを思い出したとたん、お腹が空いてきた。

Aが食事を運んでくれた。

食事は地球人用の料理になっていた。

なかなか美味しい。

そして、なんと少量のお酒のサービスもあった。

そして、30分もすればまた外の宇宙のことを考え始めた。

そしてまたしばらくして・・・

少し酔ったからだろうか、シラフの時とは違った感じで思索する。

彗介は地球にいた時に集まった仲間達のことを思い出した。

スピリチュアルの話題で集まったのだ。

そこは魔術学校で女性が講師をしていた。

彗介の好きな女性だ。

その時のことを思い出し始めた。

しばしその講座の時の思い出に浸る。

あの時は講座に参加した人とも一緒にワークをした。その日は可愛らしい女性と一緒にワークができて嬉しかったのだ。癒される存在、これからも親しくしたい、可愛らしい存在という感覚だ。

そしてその講座をきっかけに、久しぶりにハートチャクラを意識し始めた。

すると、ハトホルのことを思い出した。彗介を助けてくれたハトホルのヒーリングワーク。そうだ、この宇宙船に乗っていれば彼らに会えるだろうか。いや、彼らは違う宇宙に住んでいる。可能性は少ないか。そんなことを考えているとまた違うことを考え始めた。

講師の女性を意識し始めた。これからの魔法使いの講座について意見の募集があれば、ぜひ参考にして欲しいと思っていた考えを思い出した。

今は講座に参加した魔法使いを目指す人への感想の受け付けがなくなってしまったため、その機会もないのだが。

彗介はこれからの彼女の講座にヒーリングが登場するのも楽しみの一部であった。いわゆる回復魔法である。もちろん無理はしないで欲しいと思っていた。人それぞれに疲れ方は違うからだ。しかし、人間や動物、非物質の受講生の何名かも興味を抱いているようだった。

彗介はヒーリングをするほうにも、受けるほうにも興味があった。自分が癒しを施すことには、自分なりに何か出来ると思っていた。

そして受けるほうとしては、彼女のヒーリングエネルギーを癒しとして受けたかったのだ。

だが、個人セッションとしてヒーリングをする場合は注意して欲しいと思った。これは彼女も懸念していることだと思うのだが、自分が男性だから言えることがあった。

それは、邪な考えでヒーリングを受けに来るさまざまな生物、輩、ネガティブ系の存在も考えられるからだ。しかし、全員がそうではない。だから、男性については別枠で、ヒーラー養成セッションに限定して意識の高い人しか参加できないようにするとか。それでも懸念は残るだろうけど。それか、彗介はモニター参加者として特別に参加したいと思っていたりした。もし自分がヒーラー系を得意とする魔法使いになったら、当時は彼女と一緒に働くことも夢みたりしていた。でも一緒に働いたら厳しいかもなぁ等と余計なことを考えたりもしていた。結局はなるようにしかならない。しかし、それも今の彗介にとっては遠い昔の話のように思えた。

そして、もう一つは・・・いや、やめよう。

人を好きになることについての、魔術的、魔法使い的な観点からの解釈についてなんて。いや、全般的なその形についてだろうか。ひと時だけでも。彗介は何かしらの関係が大切な特定の人と築くことができれば良いと思っていた。いや、それも何かの気の迷い、幻想を抱いていただけだったのかもしれない。なるべくして今がある。そういうことは表立って議論する必要はないし、胸に秘めれば良い。もしかしたら、ただの好きだけかもしれない。絶えず感情も変化するものだから、一時的な感情の高まりだけかもしれない。その現象は正体不明だ。当時はそう思っていた。しかし、今となっては、それはもっと大きな全体愛のようなもので、素直に自分の感情の流れを認めれば良いのだと思うようになっていた。

もっと大きな視点で見れるようになっていたのだ。

そんなようなことを思い出しながら当時の想いに浸っていたのであった。

さぁもう前に進もう。全ては夢幻だったのかもしれない。